日本で働き始めるとき、「保険に入らないといけないの?」「どんな保険があるの?」と疑問に思う外国人労働者の方も多いでしょう。
答えは 「はい」。日本では法律により、正しく働く外国人も日本人と同様に一定の保険に加入する義務があります。
これらの保険は義務であるだけでなく、安心して生活・仕事をするための大切なサポートでもあります。
今回は、外国人労働者が日本で加入すべき 4つの基本的な労働保険について、わかりやすくご紹介します。
1. 健康保険(けんこうほけん)

日本で働く人のほとんどが加入する、最も基本的な保険です。
✔ 目的:
病気やけがの治療費をサポート。
✔ 主な給付内容:
- 医療費の70%を保険が負担(自己負担は30%)。
- 出産手当金、出産育児一時金などの制度あり。
- 配偶者や子どもなどの扶養家族も加入可能。
✔ 加入方法:
- 会社に勤めている場合は会社の健康保険。
- フリーランスやアルバイトなどは国民健康保険に個人で加入。
2. 厚生年金(こうせいねんきん)

将来の年金や、万が一の障害・死亡時に備える保険です。
✔ 目的:
老後や障害時、死亡時に給付を受けられる。
✔ 主な給付内容:
- 一定の加入期間を満たせば、老後に年金を受給可能。
- 日本を離れる際は、**脱退一時金(Lump-sum Withdrawal Payment)**として一部払い戻しが可能。
- 障害年金や遺族年金の制度もあります。
3. 労災保険(ろうさいほけん)

仕事中や通勤中に起きた事故・病気に対して補償する保険です。
✔ 目的:
労働中の事故・病気に対応するため。
✔ 主な給付内容:
- 治療費は全額保険でカバー。
- 休業中の補償(休業補償給付)あり。
- 死亡時には遺族補償も支給。
✔ 特徴:
- 全ての労働者が対象(アルバイト・実習生も含む)。
- 保険料は会社が全額負担。
4. 雇用保険(こようほけん)

失業時の生活支援や、職業訓練などに使える保険です。
✔ 目的:
失業したときや転職、スキルアップのための支援。
✔ 主な給付内容:
- **失業手当(失業給付)**が支給される。
- 職業訓練中の手当。
- ハローワークでの職業紹介サポート。
✔ 加入条件:
- 週20時間以上の勤務かつ31日以上の雇用見込みがあること。
| 保険のまとめ |
保険の種類 | 加入対象 | 主な内容 |
---|---|---|
健康保険 | すべての労働者 | 医療費、出産関連の給付 |
厚生年金 | 正社員・長期契約者 | 老後の年金、障害・遺族年金 |
労災保険 | すべての労働者 | 仕事中の事故、けが、通勤災害など |
雇用保険 | 週20時間以上の労働者 | 失業給付、職業訓練、再就職支援 |