
日本で働く技術者が給料を支払われない状況
近年、IT、機械、建設、電子工学などの分野で、外国人技術者が日本に来て働くことが増えています。しかし、残念ながら、働いたにもかかわらず給料が支払われない、または給料が遅れるという問題が発生することがあります。
このような問題に直面した技術者は、不安や恐れを感じることがあるかもしれません。しかし、実際には自分の権利を守ることができるのです。日本には外国人労働者を保護する法律があります。
日本の法律では給料の未払いは「違法」
労働基準法(ろうどうきじゅんほう)によると、日本で働く全ての労働者(外国人も含む)は、契約通りの給料を受け取る権利を持っています。
したがって、給料未払いや遅延は違法です。
雇用形態が正社員でも契約社員でも、「給料の遅延」や「未払い」は法的に問題があります。
給料未払い時の対応方法
給料が支払われない場合、以下のステップを実行して、自分の権利を守りましょう。
① 雇用契約書を確認し、証拠を集める
- 雇用契約書: 給料や支払い日などが記載されている契約書を確認しましょう。
- 給与明細や振込明細: 支払いがされていないことを証明するための記録を保存しましょう。
- 勤務表やメール履歴: 勤務時間や給料に関するやり取りが記録されたメールやチャットも大切な証拠になります。
これらの証拠は、後で正式に問題を解決するために必要になります。
② 会社に正式に問い合わせる
まずは、会社にメールや書面での問い合わせを行いましょう。
例:
「〇月分の給料がまだ支払われていません。早急にご確認をお願いいたします。」
これで会社からの対応を待ちますが、もし解決しない場合は次のステップに進むことができます。
③ 労働基準監督署に相談する
労働基準監督署(ろうどうきじゅんかんとくしょ)は、労働者の権利を守るために設置された公的機関です。給料未払いの場合、労働基準監督署に相談することができます。
- 給料未払いの報告を無料で行うことができます。
- 会社に対して調査を行い、是正命令を出すことができます。
- 通訳サービスも利用可能な場合があります。
最寄りの労基署を検索: 労働基準監督署検索
④ 弁護士や支援団体に相談する
もし給料未払いが長期間続く、または額が大きい場合は、労働問題に強い弁護士や外国人労働者支援団体に相談することをお勧めします。これらの団体は、あなたの問題を解決するための法的アドバイスを無料または低料金で提供してくれることがあります。
給料未払いのリスク
- 生活困難: 給料が支払われないと、生活費を賄えなくなります。
- 精神的ストレス: 給料未払いの問題は、精神的なストレスや健康問題を引き起こす可能性があります。
- ビザに影響: 給料未払いはビザ更新や転職に悪影響を及ぼす可能性があります。
- キャリアに影響: 長期的に給料が支払われないと、キャリアや将来の就職活動に悪影響を与えることがあります。
自分の権利を守るために
- 契約書をよく確認する: 署名する前に、契約内容を十分に理解しましょう。
- 証拠を保存する習慣をつける: 給料明細、契約書、メールなどは必ず保管しておきましょう。
- 何か問題があったらすぐに問い合わせる: 給料の支払いに問題があれば、早急に対応しましょう。
- 「外国人だから」と我慢しない: あなたにも日本の労働法が適用されます。自己の権利を守りましょう。